先日、惜しまれつつ、この世を去ったテック界の不世出の巨匠、スティーブ・ジョブズがTIME紙のカバーを飾り、当然の様に購入。
Stay hungry, stay foolish.
何事かを新たに成し遂げる為の取組み姿勢としては至言ですね。
ちょっと自分なりに、意訳すると、
がっついていろ、愚かと見られる事を恐れるな
リーマンとして歳を重ねていると、耳が痛い言葉でもあります。
スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業式のスピーチ全文↓
全て聴き終えると、どう言う文脈でこの言葉が語られたのかが分かりました。アメリカ有数のエリート校の卒業式というTPOで。
このIT業界の巨人が、大病後に登壇、生命の蝋燭が消えかけた経験を踏まえた貴重なスピーチをしてくれる／自分達の大学卒業という門出に花を添えてくれているのだから、普通、
一言も聞き漏らすまい
と、
真剣に聴くのだと思いきや、ニヤけて、ふざけてる学生が結構いるのに驚きました。
話を元に戻すと、このキャッチーなフレーズだけ切り出されると、中々、解りにくいのですが、
まず、このスピーチに於いて、元ネタがこの出版物である事が明かされます。
Whole World Catalog
ジョブズのスピーチとの関係と共によく纏められたブログはこちら↓
全世界のカタログを標榜する雑誌編者としての、虚心坦懐、飽くなき愚直な探究心を持ち続ける心構えを宣言したもの。
それにジョブズも深く共感を覚えたのですね。
前置きとして語られている、この部分がキモです。
Your time is limited, so don't waste it living someone else's life.
Don't be trapped by dogma which is living with the result of other people's thinking.
Don't let the noise of others' opinions drown out your own inner voice.
And most important, have the courage to follow your heart and intuition. They somehow already know what you truly want to become. Everything else is secondary.
【拙訳】
君たちの人生は有限だ。だから他人の人生を生きるような真似でそれを無駄にしてはいけない。他人がどう考えるかを指針にし、それに囚われてはダメだ。他人の意見が君たちの内なる声をかき消さないようにしなければならない。
そして一番大事なことは、自分の本音と直感に従う勇気を持つこと。
それらは、自分が本当に何をしたいのかに他ならないのだから。
それ以外の全てのことは、二の次で構わない。
Stay hungry, stay foolish
ここで、ストンと肚に落ちます。
さて、
後から振り返れば、生命の蝋燭の火が消えかけたに見えた、死を覚悟しそれをそれを奇跡的に乗り越え、賭けがけのなく大事なものと悟った「時間」を、次世代の担い手の為に使い心に刺さるメッセージを与えてくれています。
20代前半、人生は洋々とし永遠にこの全能感が続く様に思われる、特にエリート学生に対して敢えてこの忠告。
「俺には関係ないやと」思った卒業生は大成せず、真摯に受け止め、ジョブズの忠告通り生きようとした若者の中から、彼の後に続いていく者が出るのでしょうね…。
別に特別な、人並外れた人生でなくて良い。
スティーブ・ジョブズの様に生きられる人間など、そうはいない。
自分の内なる心に素直に、自分らしくやりたい事を地道にやる。
そんな人生を送る事が出来たら幸せですよね。
